こんにちは。とまとま(@toma_moneykatsu)です。
普段、Twitterで様々な投資情報を収集しておりますが、
ある日、Twitterで「Tracers S&P500ゴールドプラス」(Tracersはトレイサーズと読む)という投資信託の商品を見かけました。
S&P500と金に連動した投資信託ということ知り、この投資信託が気になり、情報収集を行いました。
わかる範囲で、解説していきたいと思いますので、ぜひ最後まで見ていって下さい。
- 商品の特徴
- メリット&デメリット
商品の概要
まずは特徴について、触れていきたいと思います。
「Tracers S&P500ゴールドプラス」は、日興アセットマネジメント株式会社が2022年8月31日に設定した投資信託になります。
この商品の特徴について、簡単に以下にまとめてみました。
- ”米国株式”と”金”に投資した商品
- 2倍のレバレッジがかかっている
- ”米国株式+株価指数先物”で総資産総額の100%相当の運用
- ”金先物”で総資産総額の100%相当の運用
①”米国株式”と”金”に投資する商品
この商品の最大の特徴は、S&P500と金先物を組み合わせた点ですね。
S&P500といえば、長期的に上昇基調を続ける米国を代表する株価指数の1つです。
一方、金は世界共通の資産であり、主にインフレや金融危機、有事に強いとされています。
金は株式のリスクヘッジ先として、人気のある投資先ですよね。
それらをひとつの商品にして、”株式の下落リスクを金でリスクヘッジしつつ、長期的に安定した運用成績を見込める”というのが、この商品の最大の特徴ですね。
②2倍のレバレッジがかかっている
「総資産総額の200%相当で運用」と記載がありますが、すなわちこの商品は2倍のレバレッジをかけて運用しているという点です。
具体的には…
たとえば、投資家から集めた資金100万円を元に運用会社が運用したとします。
そのときのポートフォリオは以下だったとします。
- 米国株式:30万円
- 米国株価先物:20万円
- 金先物:50万円
上記の状態であれば、資金100万円に対して、100万円きっちり投資しています。
この状態が純資産総額の100%相当となります。
そしてそこから、米国株価指数先物と金先物などにレバレッジをかけ、株式100万円分、金先物100万円分で運用できるようにします。
つまり、以下のような資金配分となります。
- 米国株式:30万円
- 米国株価先物:20万円→70万円
- 金先物:50万円→100万円
株式(米国株式+米国株価指数先物)100万円相当、金先物も100万円相当となり、合計で200万円分の運用をすることができるようになります。
つまり、総資産総額100万円に対して、200万円で運用することになりますので、総資産総額の200%相当となります。
要するに、通常の2倍のレバレッジをかけて運用するので、少額でも大きな利益を狙うことが可能になります。
メリットとデメリットについて
本商品のメリットとデメリットについて、解説していきます。
まとめた内容を参考にしながら、投資するか否かを判断してみて下さい。
メリット
一部、前述でも触れていますが、改めて本商品のメリットについて、説明いたします。
- 大きく利益が取れる
- リスクヘッジができている
- リスク分散ができている
- コストが比較的安い
①大きく利益が取れる
前述でも触れましたが、本商品は2倍のレバレッジがかかっていますので、通常よりも大きい値動きがあります。
そのため、上昇局面では大きな利益を得ることができます。
S&P500および金は、長期的には上昇傾向であるため、レバレッジとの相性は良いです。
②リスクヘッジができる
金融不安や景気後退で株式が下落した時でも、金は上昇してくれることが多く、ポートフォリオ全体としての資産目減りの抑制が期待できます。
以下の図は、S&P500と金の推移を示しています。
グレーにハイライトされている箇所は、景気後退局面を示してます。
景気後退局面では、株式は大きく下落しておりますが、金は一時的に下落するものの、すぐに上昇に転じていることがわかります。
これは、景気後退の局面において、株式のようなリスク資産は売られやすい反面、金のような安全資産は買われやすい傾向にあります。
これらを組み合わせることで、下落局面でも資産の目減りを抑制しつつ、長期的に安定した上昇が期待できるようになります。
③リスク分散ができる
株式だけでなく金にも投資できるので、リスクの分散が期待できます。
そもそもS&P500自体が米国500社に分散投資している上に、株式とは別の資産に投資することになるので、さらなるリスク分散が図れます。
④コストが比較的安い
投資信託を利用するにあたり、気になるのがコストだと思います。
そのコストについて、目論見書に記載されていた内容を抜き出し、以下に記載しました。
- 販売手数料はタダ
- 信託手数料は0.1991%
- 信託財産留保額はタダ
販売手数料とは、購入時にかかる手数料のことです。目論見書には本商品を購入する際の手数料はタダとなります。
信託手数料とは、投資信託を保有している間にかかる手数料のことです。この手数料は安ければ安いほどメリットは大きいのですが、本商品は一般的に安いとされる0.3%を下回っていますので、比較的低コストで運用することが可能です。
信託財産留保額とは、投資信託を解約する際に投資家が支払う費用のことを言います。本商品を売却する際の手数料はタダとなります。
総合的に見ても、コストはかなり低く抑えられていると言えます。
デメリット
続いては、デメリットについて、紹介致します。
- 損が大きくなる
- 金利上昇局面に弱い
①損が大きくなる
本商品はレバレッジがかかっているため、下落するときも2倍の値動きをします。
そのため、損をするときは大きくマイナスになりますので、注意が必要です。
②金利上昇局面に弱い
株式と金は、一般的に金利上昇局面に弱いとされています。
金利が上昇すると、設備投資の低下に伴う業績への影響懸念で株式は下落しますし、金利の付かない金は相対的に魅力が低下するため、下落する傾向にあります。
これらを投資をする際は、金利動向を注視しながら、投資タイミングを図るのが良いかと思います。
金に関する解説については、以下の記事をご参照ください。
結論
以上、「Tracers S&P500ゴールドプラス」について、解説してきました。
コスト面や商品設計面を加味しますと、本商品は優良な商品であると考えます。
やはり、株式+金という組み合わせは、あらゆる場面において安定した運用成績を期待できますし、
S&P500や金は長期的に上昇基調であるため、長期運用をすることでプラスになる可能性が高いと考えます。
また、信託報酬が低く抑えられていますので、コスト面でも長期運用に向いているかと思います。
株式オンリーに投資するのは少し気が引けるという方は、株式に対して金でリスクヘッジをした商品を運用して見てもよいのではないでしょうか。
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