【投資知識】なぜ米国が利上げすると円安になるのか?解説

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2022年3月のFOMCにて、FRB(連邦準備制度理事会)は利上げすることを正式決定しました。

また、年内のFF金利を1.75~2.00%に引き上げることも示唆しており、

今年予定されている残りのFOMC(連邦公開市場委員会)にて、毎回利上げすることが予想されております。

これを受けて、円安ドル高が急速に進んでおり、円安の恩恵を受ける銘柄を中心に大幅に上昇し、日本市場の急上昇の要因の一つとなりました。

今回FRBが利上げを発表しましたが、なぜ利上げをすると円安ドル高が進んだのでしょうか。

そのメカニズムについて、解説していきたいと思います。

目次

そもそも利上げとは

利上げとは、政策金利(短期金利)を引き上げることをいいます。

政策金利は中央銀行が決定しており、日本では日銀、アメリカではFRB(米連邦準備理事会)が決定をしています。

また、政策金利を決定する会合があり、日本でいうと金融政策決定会合、アメリカでいうFOMC(連邦公開市場委員会)がそれにあたります。

その政策金利について、2016年から2022年3月までの日米の金利推移を図に示しますが、

コロナショック時に政策金利がほぼゼロとなり、そこから今まで2年近く続いておりました。

しかし、直近の高インフレにより、FRBはゼロ金利政策解除し、3月に利上げすることが決定しました。

ただ日本は、インフレがあまり進んでいないため、異次元金融緩和は据え置きで、経済優先の政策スタンスを取っております。

なぜ利上げするのか

世界の景気は、その時々で低迷したり、過熱したりします。

そのような状況から景気を正常化するために、中央銀行が、政策金利を上下させています。

今回、FRBは政策金利の引き上げを決定しましたが、その理由は物価上昇(インフレ)の抑制です。

2021年9月以降から米国ではインフレ率が加速しており、2月の消費者物価指数では7.9%と、40年ぶりの伸びに達しました。

このままでは消費者や企業に大きな負担がかかってしまい、経済が大きく冷え込んでしまいます。

それを抑えるために、政策金利を引き上げることで、景気をコントロールしようとしております。

一方、日本は小幅ながら右肩上がりですが、インフレが進んでいないようです。

これは、携帯電話料金の値下げの影響が大きく、これがインフレ率を抑えているようです。

2022年4月からこの携帯電話料金の値下げ効果が無くなるため、インフレ率がどうなるのか注目です。

話を戻しまして、ではなぜ、利上げをすると景気の過熱や物価の上昇を抑えることができるのでしょうか

それは、消費を抑えることができるからです。

一般的に、利上げをすると民間の銀行がお金を貸し出すときの金利が上昇したり、預金の金利が上昇します。

お金を貸し出す面で考えますと、設備投資をする際に、金利が上昇することで、銀行に返すお金が増えてしまいますので、設備投資を控えるようになります。

また、お金を預ける面では、預金で高い金利がもらえるなら、なるべく預金にお金を回そうとします。

その結果、消費が控えられ、景気過熱の抑制や物価上昇の抑制につながるという訳です。

利上げと為替の関係

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利上げは政策金利の引き上げということを説明しましたが、これだけでは政策金利と為替への関係性が見えてこないですね。

ここで理解に必要なのが短期国債です。

政策金利とは短期金利のことを指しますが、その短期金利は短期国債の利回りのことを指しています。

すなわち、中央銀行は短期国債の利回りを操作することで景気をコントロールしているということになります。

国債の利回りを高くすると、どうなるのでしょうか。

日本国債と米国債を比較すると、現在米国債の方が利回りが高いです。

同じ条件で利回りのみが違う場合で考えると、利回りの良い方を購入したいという気持ちになると思います。

日本国債と米国債のどちらが欲しいかとなった場合、やはり利回りの良い米国債を買いますよね。

この米国債の高い利回りによって、日本国債⇒米国債を買う流れが生まれ、円安を引き起こしてします

もう少し細かく説明しますと、

利回りの低い日本国債を持つよりも、利回りの高い米国債を持つ方が魅力的なので、日本国債を売って、米国債が買われます。

すると、市場に円の流通量が増え、円の価値が下がります。対して、ドルは市場の流通量が減りますので、ドルの価値が上がります。

すなわち、円安ドル高という事になります。

まとめ

米国が利上げをすると円安ドル高になることを説明しました。

今回の急速な円安は、日銀が量的緩和を継続することを改めて表明したことで、日米の金利差が大きくなり、より米国債が魅力的になったことで、円安が進んだものと考えます。

日本にはインフレの波がまだそこまで来ておりませんが、4月以降の消費者物価指数に注目が集まります。

また、米国のインフレも深刻で、今後の状況によっては、一度の利上げ幅を25ベーシスポイントから50ベーシスポイントに引き上げることも噂されております。

これによりさらに円安に振れる可能性があり、ますますインフレ懸念が高まります。

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