今回は「小売業」について解説していきたいと思います。
「小売業」は皆さんの身の回りにある最も身近な業種の一つかと思います。
例えば、スーパーマーケットだったり、百貨店だったり、本屋さんやドラックストアなど、普段の生活の中でよく使われるお店が大半です。
その「小売業」について、見ておきたい指標や特徴、強みについて解説していきたいと思います。
小売業の収益モデル

小売業の収益モデルは、簡単でイメージはしやすいかと思いますが、念のため説明させていただきます。
小売業は、卸売業やメーカーから商品を仕入れて、それを消費者に販売し、仕入れ値と販売価格の差益で収益を上げるビジネスとなります。
すなわち、仕入れ値よりも高い価格で売り出して、消費者に購入してもらうことで、利益を得ようということです。(商売の基本ですね)
小売業でもいろいろ種類が存在

小売業にもさまざまの種類があります。今回はその一部をご紹介致します。
具体銘柄
小売業にも様々な種類があります。そのため、全て挙げるのは大変困難ですので、代表的には銘柄をピックアップして、ご紹介いたします。
百貨店・デパート
洋服店、本屋、ドラックストア、靴屋などさまざまな小売店を一つの建物に集約したお店になります。
皆様も家族連れで買い物するときに良く行かれるのではないでしょうか。
百貨店は女性ものの商品を多く取り扱っている為か、男性用トイレが各階になく、慌てて別階に走ったことを思い出します。
- 高島屋(8233)
- H2Oリテイリング(8242)
- 三越伊勢丹(3099)
スーパーマーケット
主に魚やお肉、野菜などの生鮮食品や生活用品などを取り扱っております。一番身近な小売業といってよいかもしれません。
昔、玉子1パック100円のときは、ダッシュで買いに行っておりましたw
- イオン(8267)
- ライフコーポレーション(8194)
- イズミ(8273)
ドラックストア
主に薬やシャンプーや洗剤などの生活用品、最近では食料品まで取り扱うようになりました。
個人的にはマツキヨをよく利用しており、日曜日のポイント7倍デーに買い込んでいます。
あとはウエルシアで毎月20日に開催されるお客様感謝デーの際にも、Tポイントを利用して生活用品を購入しております。いわゆるウェル活というやつですね。。。
- マツキヨココカラ&カンパニー(3088)
- ウエルシアホールディングス(3141)
- ツルハホールディングス(3391)
雑貨店
雑貨というだけあって、なんでも取り揃えているのが特徴です。
一時、アロマにこだわったことがあり、無印良品でアロマを購入しましたが、3回使用して飽きてしまいました。
柑橘類のアロマを使っていましたが、癒されるというよりもお腹が減ってしまうようになり、夜食を食べたくなることが多々ありましたので、辞めましたw
- 良品計画(7453)
- パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)
- ニトリホールディングス(9843)
コンビニエンスストア
基本的には24時間営業で、どこにでもある便利な小売店ですね。
個人的にはファミリーマートのファミチキが好きで、クリスマスに。。。ではなく、かなりの頻度で食べておりました。
- セブン&アイ・ホールディングス(3382)
- ローソン(2651)
- ミニストップ(9946)
小売業の特徴
ここからは小売業の特徴について説明していきます。
小売業は川下産業

小売業はいわゆる川下産業となります。
川下産業は消費者に近い部類に属する産業のことを指し、その中でも小売業は最も消費者に近い業種となります。
産業を川で例えた場合、製品は素材→製造→卸売→小売という流れで消費者に渡ります。
インフレ環境下において、川上にあたる素材は、仲介する業者が少ないので、影響は少ないです。
しかし、川下にあたる小売は、仲介する業者が多くなるので、コストが積み重なり、利益が少なくなってしまいます。
したがって、物流面においては非常に不利になります。
尚、コスト増加分を価格転嫁できれば問題ありませんが、小売業はライバルが多く、価格競争になりやすいので、なかなか値上げに踏み切れません。仮に値上げをしたとしても顧客離れの可能性もあるので、どうしても慎重にならざるを得ません。
また、物価が上昇すると、消費マインドが低下するので、売上げも減少傾向となります。
したがって、インフレ環境下においては、ダブルパンチでマイナスに影響してきます。
円安に弱い
小売業は基本的に内需株なので、円安の時はマイナス影響、円高の時はプラス影響となります。
円安となったときは、輸入する原材料価格を押し上げる方向に働きます。そのため、商品原価が上昇し、利益を圧迫することになります。
ただし、円安にもメリットがあります。
円安になると、外貨⇒円に換金したときに多く円を受け取ることができます。そうなると外国人の消費マインドがポジティブとなり、消費が活発となるため、売上が増加します。
現在、急速に円安が進んでおり、尚且つ、訪日外国人の入国規制緩和も進んでいるので、内需株には追い風となっております。
インフレの影響
インフレには、良いインフレと悪いインフレの2種類があり、それぞれで小売業への影響が異なります。
良いインフレの場合
良いインフレの場合は、プラス影響となります。

そもそも良いインフレとは、企業が儲かることで、社員の給料が増え、消費者の消費マインドはポジティブとなり、積極的に商品を購入するので、物価が上昇し、企業がさらに儲かるという良いサイクル下でのインフレのことを言います。
良いインフレ環境では、商品が売れに売れて、業績は良くなります。
悪いインフレの場合
悪いインフレは、マイナス影響となります。

悪いインフレとは、原材料高を起点としたインフレであり、インフレコストプッシュ型インフレと言われたりします。
原材料価格が高くなることで、利益を圧迫し、社員の給料が減ってしまい、消費マインドが落ち込みます。そうすると、消費に対してネガティブとなりますので、収益が減少しています。
ですので、悪いインフレでマイナス影響となります。
原油高はマイナス
原油価格の上昇は、物流コストの増加を招くので、マイナス影響となります。
また、石油を原料とした製品も数多くあり、原油価格が上昇すると原価も高くなりますので、両方の面でもマイナスに作用します。
経済指標を気にしておく
小売業は景気に敏感です。景気が良いと消費マインドがポジティブとなるので収益増加につながりますが、逆に景気が悪いと消費マインドがネガティブとなるので収益減少に繋がります。
ですので、現在の景気を知る事は大切です。
その景気を知る手掛かりとして、国の機関が発表する経済指標が役に立ちます。
- 景気動向指数
- 消費動向調査
- 景気ウォッチャー調査
- 小売物価統計調査
- 消費者物価指数
ちなみに、景気ウォッチャー調査とは2、3ヶ月前と現在を比べて、
まとめ

今回は「小売業」について解説していきました。
新型コロナウイルスの流行により、業績が落ち込みましたが、徐々にゼロコロナからウィズコロナへとマインドチェンジしており、コロナ前の日常を取り戻しつつあります。
訪日外国人の入国規制も緩和され、経済活動が本格再開されようとしております。
いよいよアフターコロナ株の出番が到来か!?と感じております。
終わりに
業種分析について、他にも行っておりますので、ぜひそちらの方もご参考ください。


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