日本にはいろんな業種が存在しておりますが、それぞれどのような特徴を持って、どこに強みがあるのか、または弱みがあるのか、まだまだよくわからないことが多いです。
そこで、私が参考資料やネットの情報を収集し、必要そうな情報をピックアップして、シリーズ記事として、まとめていきたいと思います。
今回紹介するのは、「銀行株」です。
銀行株の収益モデル
銀行によって事業が異なりますので、全て挙げるとキリがありませんが、主な収益源として、以下が挙げられます。
- 個人や企業向け融資
- 資金運用
「1.個人や企業向け融資」は、融資先から利息及び融資元本を受け取ることで、収益を得ております。

多額の資金を必要とするので、預金という形で預金者から資金を調達し、その代わりに預金者に対して、利息を支払います。

銀行は、預金金利よりも融資時の貸出金利を高くすることで、銀行としての利益を生み出しています。(預金金利<貸出金利)
「2.資産運用」は、株や外貨、債券などを購入し、それらの売却益が利益となります。
●銀行の主な収益源
- 個人や企業向け融資(預金金利と貸出金利の差で利益を得る)
- 資金運用(株や外貨、債券などの運用売却益)
銀行株の特徴

銀行株には、株価指標に特徴があったり、銀行には追い風となる相場があったりします。
そのあたりについて以下で解説していきます。
株価指標が低い
銀行株の特徴として、PER及びPBRなどの株価指標が低いことが挙げられます。
以下の表をご覧ください。
表には大型バンクとプライム市場の平均値を記載しております。
PER及びPBRを確認いただくと、プライム市場平均よりも銀行株の方が低く、かなり割安水準にあるという風に解釈できます。


PER、PBRが割安なら、銀行株を急いで買わないとね!!
しかし、それは間違いです。銀行は、その収益モデル上、PER及びPBRが低くなる傾向にあります。
では、なぜ銀行株のPER及びPBRが低くくなるのでしょうか。
銀行は一般の企業とは違い、預金者から借りたお金(要は借金)を使っているので、バランスシート上純資産という扱いではなく、負債として扱われることになります。
一般企業に比べて純資産が少なくなるため、株価指標が割安に見えるようになります。
高配当銘柄が多い
一般的には銀行株は高配当株が多いです。
前記で示した表を改めて、以下に示します。
表を見て頂きと、大型バンクの配当利回りは軒並み3%を超えており、プライム市場の平均配当利回りを大きく上回っております。
高配当株は下落局面でも、下げが限定的になりやすい傾向があるため、大きく株価が崩れることはないと思います。

金利上昇局面に強い
銀行は数少ない金利上昇局面に強い業種になります。
前記でも示したように、銀行は預金金利と貸出金利の差(利ざや)で収益を上げておりますが、金利上昇局面になると、利ざやが大きくなりやすく、その分収益が増えやすいという特徴があります。
逆に言うと、金利が低下すると利ざやが少なくなるので、収益が少なくなりやすいので、金利の動向には注意が必要です。
また、もう1点注意してほしいのが、前述したように、銀行は資産運用でも収益を上げています。
金利上昇局面では、株価が下落しやすかったり、国債などの債券価格が下落したりしますので、各金融商品の評価額がマイナスになってしまうことがあります。
債券を多く運用している銀行は、収益が悪化するリスクがありますので、その点に注意が必要です。
●銀行株の特徴
- PER及びPBRが低い
- 高配当銘柄が多い
- 金利上昇局面に強い
まとめ

銀行株について、紹介しました。
現在、米国では高いインフレとなっており、急速に利上げが進んでおりますが、
日本は依然としてインフレが進んでおらず、従来通りの金融緩和策を維持しているため、
低金利となっているため、日本の銀行には、良い状況ではありません。
銀行株に投資する際は、金利の動向に注視しながら、検討してみてください。
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